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Release: 2023/04/12 Update: 2023/04/13

通勤手当についての考え方

はじめに

最近ではよく就業規則作成のご相談ご依頼を受けており、数多くの会社の就業規則等を拝見させていただく機会が増えました。

そこで会社の経営者様やご担当者様とのヒアリングやときには職場のパート・アルバイトさんとお話しているうちにいろんな疑問点や矛盾点をお聞きすることがあります。

今回気になったのが、『通勤手当』に関するお話です。

 

通勤距離2㎞の壁

 

よく聞くお話として、家から近くの会社にパートとして入社したしたのはいいが、距離が2km未満なので、交通費が支給されないと入社してから言われたとのこと。
実際1.8kmくらいはあるそうなのですが、ちょうど電車で1駅分あって、電車を利用すると家を出てから会社だいたい20分くらいでつくそうです。
この方、自転車に乗れない方らしく、歩くしか手段がないので、1.8kmを歩くとなると1km15分ペース(これでも早いペースだと思いますが)だとすると約27分もかかることとなります。

会社側がこの交通費を不支給(=ケチっている)にしていることでせっかくのいい人材の獲得を逃している可能性があります。

 

税法上(非課税)の考え方

もしかしたらこの税法上の規定がごっちゃになっている可能性があります。

 

電車・バスのみを利用して通勤している場合

 電車やバスのみを利用している場合において、非課税となる限度額については、「通勤のための運賃・時間・距離等の事情に照らして、最も経済的かつ合理的な経路及び方法で通勤した場合の通勤定期券などの金額」と定められています。

税法の規定上では定期代は非課税額について1か月『上限15万円』と規定されています。
一方で距離規定についてはありません。

 

交通用具使用(自動車・自転車の利用の場合)

自動車・自転車の場合は走行距離によって、税法上非課税になる額が決まっており、このお話でありました2km未満の場合においては全額課税されることとなっております

 

まとめ

上記で上げたように「電車・バスで通勤する場合」と「自動車・自転車を利用して通勤する場合」との2つの通勤パターンがごっちゃになっている可能性があり、よく聞く話で会社で就業規則等の通勤費の規程において「2km未満は支給しない」という考え方は、おそらく自動車の税法上の考え方とごっちゃになっている可能性があります。
また、現代のように交通網が発達した時代において、目の前に便利な交通手段があるのに、ひとくくりにして、「2㎞未満は支給しない」というのは少し考え直してもらいたいのです。

このような考え方は、古くからある企業ほどよくあるあるな話で、中にはこんな有名な企業が・・・ということもありました。

 

私からのメッセージとしては、 これからの会社経営は社員・職員目線(下から目線)にも気を配るよう、考えていただきたいと思います。

もし自分が1.8kmの距離のある会社に行きたいと思った時に通勤費が出ない会社だったらどう思いますか?

 

「通勤費でないからなあ。電車使っても自費になっちゃうから応募やめよう。」ってなりませんか?

「いい人材を獲得したい」「社員職員には長く働いてほしい」といったお悩みがあるのに昔のままの就業規則等を放置していませんか?

 

もしそういった不安やお悩みがありましたが、お気軽にご相談いただければと思います。

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